シェードツリーに守られて〜ドミニカ エバノヴェルデ(2023年9月)

コロンブスのイスパニョーラ島

 美しい景色を誇るカリブ海の産地、ドミニカ共和国。コロンブスが新世界の発見後、最初の町を建設したイスパニョーラ島。

イスパニョーラ島東部に位置する共和制国家です。小アンティル諸島のドミニカ島にあるドミニカ国と区別するため「共和国」をつけて呼ばれています。

ドミニカでは「野球」が有名です。数多くの野球場があり、プロ野球も6チームあります。
大リーグの有名選手で通算609本塁打のサミー・ソーサは、ドミニカ出身であり英雄です。現在も、大リーガーのおよそ10%がドミニカ出身のようです。

 ドミニカでは、ガブリエル・ド・クリューの伝説という、ドミニカのコーヒーの原種であるティピカの苗木がもたらされた物語があります。詳しくは、ドミニカ バラオナAA〜ガブリエルの一滴の水伝説をご覧ください。

シェードツリーに守られたコーヒー

 EBANO VERDE(エバノ ヴェルデ)は、コンスタンサ地方にある品質にこだわる16の小規模農園によって生産されました。農薬の使用を最小限にし、環境保護と土地の保全を目指した伝統的なシェード栽培を行っています。

シェードツリーによる自然が作り出す日陰がコーヒーツリーを高温と乾燥から防いてくれるのです。また、バナナやイモの木などで構成されるシェードツリーは、多様な生物を育み、森林や土壌の生態系を保全してくれるのです。

エバノヴェルデの出荷プロセスをご紹介します。


①成熟したコーヒーチェリーのみをハンドピック
②エコパルピング~洗浄
 (キロ当たり5リットル以下の水量使用)
③天日乾燥3~5日 水分11%
 その後3~4週間保管
④パーチメント除去、色選別
⑤ラボでの徹底した品質管理
 SCAA規準に基づくカッピング

豆をかじったような香ばしさ

しっかりと感じる豆の香ばしさ、苦味や酸味はほとんど感じられませんが、

香り高さと、厚みのあるコクが飲みごたえを作ってくれています。

苦味 ★☆☆

酸味 ★☆☆

コク ★★☆

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆

フレーバー:焼き芋、黒糖

農園データ

生産国ドミニカ共和国
生産地域コンスタンサ
生産高度1,800〜2,200m
精選方法ウォッシュド
品種カトゥーラ、カツアイ

アマゾン川と呼ばれるコーヒー〜アマゾナスG1(2023年8月)

アマゾン川と呼ばれた地

 ペルー、アマゾナス県のコーヒーです。「Amazonas」と聞いて、まず浮かぶのはアマゾン川ですね。南米にある世界最大・最長の川です。アマゾン川のスペイン語表記は「Rio Amazonas」で、まさにアマゾン川を抱くという場所です。

ペルーにおけるコーヒーの始まりは、1700年代のスペイン植民地時代です。現在においても当時伝来された在来種ティピカが輸出される品種の70%以上となっています。

さらに、ペルーは世界でも有数のオーガニック認証やフェアトレード認証のコーヒー豆の輸出国でもあります。アマゾナス県はペルー北部アンデス山脈中に位置し、ペルーの高品質コーヒーの重要産地となっています。

ペルーのコーヒーの歴史はこちらの記事(ペルー ベラスコ将軍とはじまりのティピカ)をご覧ください。

レモンの酸味、そこはかとなく

 しっかりと感じる酸味、しかし、その後には舌に刺激が残りません。

酸味と一緒に感じる甘味が果実味を感じさせ、苦味もありません。

ほんのり漂うレモンの香りがさらに夏らしいすっきりさを作り出してくれます。

苦味 ★☆☆

酸味 ★★★

コク ★★☆

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆

フレーバー:レモン、ウッド、青草

農園データ

生産国ペルー
生産地域アマゾナス県
生産高度1,500m
精選方法ウォッシュド
品種ティピカ、カティモール、パチェ

アンデスの秘境コーヒー〜ペルー マリオ・マルコ・コンドリ(2022年12月)

アンデスの秘境へ

ペルー南部のサンディア渓谷、

ボリビア国境付近、標高 4,700mのアンデス山脈の峠を超えると

アマゾン川の源流域に辿り着きます。

そんな秘境のような場所に、コーヒー農園が立ち現れます。

ペルーの首都リマから遠く離れ、車はおろかバイクも通れない山道の先に点在する農家。

近代化から取り残されたようなサンディア渓谷、今、その地域は、ペルーで最もポテンシャルの高いコーヒー産地として知られています。

農園の主人は、マリオ・マルコ・コンドリ氏、

コンドリ氏は、農園内に生息する動物園、土壌、森林、水資源を保全し持続可能な農法を行っています。

収穫は一粒一粒セレクトピッキングを行い適切な発酵時間の後、水洗処理を行います。水洗時にカナル ( 水路 ) でも選別 を行うなど、究極の品質を追求しています。

ビビッドな酸味、尖ったストレート

口に含んだ瞬間、ビビッドな酸味が飛び込んできます。

その後はビターチョコレートの苦味

少し青いりんごのような渋さと甘味が同時に残ります。

なかなか尖った特徴を持ったストレートコーヒーです。

—-風味バランス—-

苦味 ★★☆

酸味 ★★★

コク ★★☆

甘味 ★☆☆

焙煎 ★★☆  

フレーバー:焼き芋、レモン

ペルー ホワイトコンドル〜ベラスコ将軍とはじまりのティピカ

2022年4月限定コーヒーはからペルーより「ホワイトコンドル」です。

ペルーは、南米西部に位置し、エクアドル、コロンビア、ブラジル、ボリビア、チリの5ヶ国に隣接しています。

ペルーにおけるコーヒーの始まりは、1700年代のスペイン植民地時代です。現在においても当時伝来された在来種ティピカが輸出される品種の70%以上となっています。

さらに、ペルーは世界でも有数のオーガニック認証やフェアトレード認証のコーヒー豆の輸出国でもあります。

ペルーのコーヒー産業における歴史的転機は、1968年のペルー革命に遡ります。ベラスコ将軍による、「反米と自主独立」を掲げた軍事革命です。

貧しい生まれだったベラスコ将軍において、革命の最大の柱は、農地改革でした。

「44家族」と呼ばれていたいわゆる寡頭支配層は、解体され、小作人に分け与えられたのです。ベラスコ将軍は先住民をカンペシーノ(農民)と呼ぶようにし、これまでの慣習であった侮蔑的な響きのあるインディオという言葉も廃止されました。

ペルーのコーヒー農園は現在も90%が小規模農家となっています。

ホワイトコンドルは、バナナやアボカドなどのシェードツリーのもとで栽培されています。

収穫は全て丁寧に手摘みし、天日干しされ、電子選別後、ハンドピックを行うことで、高品質のコーヒーに仕上がります。栄えあるコーヒー・オブ・ザ・イヤー 2021のひとつにも選ばれました。

一口飲むと、豆の香ばしさをしっかり感じることができます。

バランスに優れ、飲み終わった後に広がる香りが優雅な余韻を残してくれます。

果実感の酸味も心地よいです。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

甘み ★★☆

焙煎 ★★☆

フレーバー:カカオ、ナッツ

ペルー トキイロコンドル〜2021年4月限定コーヒー

4月は始まりの月ですね。街には、入園式、入学式、入社式に参加する緊張した面持ちの、瑞々しい子供や若者が正装や、パリッとしたスーツで歩いているところを見かけました。

何かと制限の多い生活スタイルの中、それでも、新しい世界に進めることは、何より幸せなことと思います。制約はそれとして割り切って、思いきって、楽しんでもらいたいですね。

さて、4月限定コーヒーはペルーから、「トキイロコンドル」です。

ペルーは、南米西部に位置し、エクアドル、コロンビア、ブラジル、ボリビア、チリの5ヶ国に隣接しています。

ペルーにおけるコーヒーの始まりは、1700年代のスペイン植民地時代です。現在においても当時伝来された在来種ティピカが輸出される品種の70%以上となっています。

さらに、ペルーは世界でも有数のオーガニック認証やフェアトレード認証のコーヒー豆の輸出国でもあります。

本コーヒーは、バナナやアボカドのシェードツリーのもとで栽培されています。
収穫はすべて丁寧に手摘みし、天日干しされ、機械選別、電子選別、ハンドピックを通じて、一つ一つの豆は、非常に質の良いものとなっています。

なお、「トキイロコンドル」は、朱鷺色コンドル、という意味です。

前回のペルーコーヒーはこちら

柔らかい酸味が口の中に広がります。

瑞々しいテイストが、喉を通った後には、爽やかさとなって残ります。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★☆☆

甘味 ★☆☆

焙煎 ★★☆  

フレーバー:ナッツ、青草

ペルー ビクトルアルタミラノ〜2021年1月限定コーヒー

新年明けましておめでとうございます。昨年は新型ウイルス流行の中、皆様におかれましても生活、お仕事、健康など様々な影響があったかと思います。

当店におきましても、営業においては、営業時間の見直し、店舗内での対策など取り組んでまいりました。

緊急事態宣言の際には、初めての取り組みとして、コーヒーチケットの販売をオンラインでも販売させて頂きまして、ご購入頂いたお客様の声援に私どもも大変力付けられました。

改めまして、西原珈琲店が、スタッフ、そしてお客様とともに成り立っていることを実感いたしました。

一杯のコーヒーで、この大変な状況下に何が出来るのか、その中で私たちが見出したのは、不安やストレスが大きい世の中で、変わらず美味しいコーヒーと寛ぎの時間をご提供し続ける、という原点でもありました。

一杯一杯を豆から挽いて、ハンドドリップで抽出するコーヒーを提供し始めて、早34年。2020年は、ドリップする手にひとしきり思いを込めた1年間でもありました。

2021年、まだまだ先の見えない不安な世の中ではありますが、皆様の健康と、素晴らしい1年が訪れることを心より願っております。本年も何卒よろしくお願いいたします。

ペルーと言えば、マチュピチュ、ナスカの地上絵などの観光地として有名です。また、動物のアルパカの生まれ故郷でもあります。

ペルーのコーヒー生産は、標高5000m級の山々が連なるアンデス山脈の山間や渓谷部で小規模農家を中心に栽培されています。

アフリカンベッドと呼ばれる天日の下、風通しの良いベッドの上で、人の手で攪拌させながら、均一に乾燥させる手法をとっています。

前回のペルーコーヒーはこちら

豆を口の中で砕いたような芳醇な香ばしさが口の中で広がります。

深いコクがある一方、苦味や酸味はほとんど感じられず、

クセのないクリーンな味わいとなっています。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★☆☆

コク ★★☆

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆  

ペルーから春がやってくる

年が明けたと思えば早2月、時の移ろいの早きこと。

この週末はぐっと暖かくなり春の到来を感じました。

梅は咲き始め、桜がつぼみをあらわし、開花をじっと待っているようです。

春の訪れは一年の中でもまさに感動的なものですね。

2月のコーヒーはペルーから「マチュピチュ」です。

前回のペルーコーヒー記事はこちら。

甘さのあるナッツの香り、

味はまろやか、のみやすい

豆の香ばしさ、甘みのある酸味が風味を引き立てる

素晴らしいバランス

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★☆☆

コク ★★☆

焙煎 ★★☆



ペルー、アマゾンを超えた秘境、先住民の手


今月のコーヒーはとても珍しいペルーコーヒーです。

そして、そのペルーの産地の中でも秘境エリアにある希少なコーヒーです。

3月のコーヒーは「ペルーセコバサ」です。

コーヒー豆

ペルー南部のサンディア渓谷、アンデス山脈を越え、

アマゾン川の源流域の秘境、そこにある小さなコーヒー農園、セコバサ。

ここには、切り立った断崖、峻険な山と谷に囲まれた森があり、

先住民族のアイマラ族が静かに暮らしています。

農家

丁寧に育てられ、きめ細かくピッキングされた豆の品質は高く、

手作りの上質なコーヒーは、ペルーコーヒーの輝く可能性を見せてくれます。

さて、その味は、

コーヒー豆2

熱帯雨林の雨露に濡れた木々とほんのり漂うフローラルの香り。

飲み口はきりりとしていて、苦味はほとんどなく、しっかりとした香ばしさが残ります。

コクは深く、心地よい酸味が絶妙なバランスで絡み合って、

そのまま、余韻となって鼻を抜けていきます。

とても飲みやすいので、ストレートコーヒーは苦手という方にも

是非おすすめしたいコーヒーです。

産地もその風味も、なかなか出会えない、希少なコーヒーです。

 

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

焙煎 ★☆☆