ドミニカ バラオナAA〜ガブリエルの一滴の水伝説

2022年3月限定コーヒーはからドミニカ共和国より「ドミニカ バラオナAA」です。

彼の名はガブリエル・ド・クリュー

ガブリエルは大西洋の上を何日も彷徨っていた。

目的地はカリブ海に浮かぶ美しい島、マルティニーク島、

カブリエルは、そこにコーヒーの苗を持ち込むため航海を続けていた。

ベタ凪が何日も続き、ガブリエルの船は大海原に漂流していた。

食料や水もだんだん底を着き始め、せっかく持ち込んだコーヒーの苗も、一つ二つと萎れていき、生きているのは、後一つとなってしまった。

ガブリエルの自身の飲み水も僅かとなり、もはや絶望だけが残っていました。

これまでと思うと、視界に入ったコーヒーの最後の苗木、最後の飲み水の一滴を、ふと、その最後その苗に与えました。

すると、今までの凪が嘘のように風が吹き始め、帆が勢いよく膨らみ、進み始めました。

そして、ガブリエルの視界には、マルティニーク島が現れたのです。

最後の1本のコーヒーの苗とともに上陸しました。そのコーヒーの種はティピカ。さらにこの数年後の1735年、ティピカはドミニカに持ち込まれました。

美しい景色を誇るカリブ海の産地、ドミニカ共和国。コロンブスが新世界の発見後、最初の町を建設したイスパニョーラ島。

イスパニョーラ島東部に位置する共和制国家です。小アンティル諸島のドミニカ島にあるドミニカ国と区別するため「共和国」をつけて呼ばれています。

ドミニカでは「野球」が有名です。数多くの野球場があり、プロ野球も6チームあります。
大リーグの有名選手で通算609本塁打のサミー・ソーサは、ドミニカ出身であり英雄です。現在も、大リーガーのおよそ10%がドミニカ出身のようです。


ドミニカ南西部に位置するバラオナ地方のバオルコ山脈は、石灰岩質の地盤を腐葉土が覆った土壌。山の斜面が雲で覆われることにより年間を通じて、まんべんなく雨を降らせます。

この雲が強い日差しからコーヒーの木を守り、表土に湿りを与え、コーヒーの木は育ちます。カリブ独特の軽い口当たりと柔らかな酸味と甘み、果実感のある香ばしいアロマが特徴です。

南国の果実をそのままかじったようなジューシーさと、心地よい酸味感

水っぽさやフレーバーの曖昧さも、異国情緒の中でむしろごくごくと飲みたくなる

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

甘み ★★☆

焙煎 ★★☆

フレーバー:カカオ、ライム、とうもろこし

エクアドル 赤道直下の原種 アンデスマウンテン〜2021年11月限定コーヒー

11月限定コーヒーはエクアドルから「アンデスマウンテン」です。

南米北西部、赤道直下にあるエクアドル

マナビ県カスコル地区は標高600メートルの小農家で生産されたコーヒーです。

ブルボンと共に、コーヒー豆の原種と言われるティピカを中心に栽培されています。

前回のエクアドルコーヒー

苦味もしっかり感じられ 大人の味わいです。

豆の深い香ばしさを感じられます。

舌に残る酸味に楽しさもあります。

—-風味バランス—-

苦味 ★★☆

酸味 ★★☆

コク ★☆☆

甘み ★☆☆

焙煎 ★☆☆

フレーバー:ダークチョコレート、さつまいも、スモーク

ペルー トキイロコンドル〜2021年4月限定コーヒー

4月は始まりの月ですね。街には、入園式、入学式、入社式に参加する緊張した面持ちの、瑞々しい子供や若者が正装や、パリッとしたスーツで歩いているところを見かけました。

何かと制限の多い生活スタイルの中、それでも、新しい世界に進めることは、何より幸せなことと思います。制約はそれとして割り切って、思いきって、楽しんでもらいたいですね。

さて、4月限定コーヒーはペルーから、「トキイロコンドル」です。

ペルーは、南米西部に位置し、エクアドル、コロンビア、ブラジル、ボリビア、チリの5ヶ国に隣接しています。

ペルーにおけるコーヒーの始まりは、1700年代のスペイン植民地時代です。現在においても当時伝来された在来種ティピカが輸出される品種の70%以上となっています。

さらに、ペルーは世界でも有数のオーガニック認証やフェアトレード認証のコーヒー豆の輸出国でもあります。

本コーヒーは、バナナやアボカドのシェードツリーのもとで栽培されています。
収穫はすべて丁寧に手摘みし、天日干しされ、機械選別、電子選別、ハンドピックを通じて、一つ一つの豆は、非常に質の良いものとなっています。

なお、「トキイロコンドル」は、朱鷺色コンドル、という意味です。

前回のペルーコーヒーはこちら

柔らかい酸味が口の中に広がります。

瑞々しいテイストが、喉を通った後には、爽やかさとなって残ります。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★☆☆

甘味 ★☆☆

焙煎 ★★☆  

フレーバー:ナッツ、青草

ボリビア コパカバーナ農園〜2020年12月限定コーヒー

2020年12月の限定コーヒーはボリビアからです。

ボリビアは南米の内陸国で、南米大陸を南北に貫いているアンデス山脈が国の西部を走っています。

本農園は、ペルーとの国境にあるチチカカ湖は標高3800mという高地にあります。

国の東側はアマゾンの熱帯地域で、このアマゾンとアンデス地域の中間の地域は温暖な気候で果樹栽培にも適しています。チチカカ湖よりもたらされる適度な湿度と穏やかな気温が、コーヒー栽培に適しています。

ラパス県ユンガス地方にある「コパカバーナ農園」は、チチカカ湖畔の街コパカバーナから北東に300キロにあります。

コパカバーナとは先住民族アイマラ族のことばで「宝石の展望台、湖の眺め」を意味する“コタ・カウアーナ”に由来しています。この農園からは湖を一望することはできませんが、眺めの良いセロ・コンドリーリ(コンドリーリの丘)で栽培されています。

前回のボリビアコーヒーはこちら

豆の香ばしさの中に、しっかりと黒糖の甘味が感じられ、深いコクもあります。
苦味はほとんどなく、すっきりと飲みやすいですが、味わいは深く感じられるコーヒーです。

コーヒーはティピカ品種です。

中南米のコーヒーの起源でもあります。古くからある原種であり、元々はイエメンから渡ってきたと言われています。

様々な交配種が種類になる中でティピカは単一種ゆえに病気などには弱く、栽培は難しいため、ティピカのコーヒー自体が貴重となっています。

ティピカは、独特の甘さを感じていただけたら嬉しいです。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★☆☆

コク ★★☆

焙煎 ★★☆  

パプアニューギニア トロピカルマウンテン〜2020年9月限定コーヒーご案内

2020年9月の限定コーヒーはパプアニューギニアから「トロピカルマウンテン」です。

パプアニューギニアは、熱帯気候でモンスーンの影響化にあり、年中高温多湿の国です。

パプアニューギニアにコーヒーが導入されたのは1930年代。
ジャマイカ・ケニア・タンザニア・などの原産地からもたらされ、
本格的な栽培は1950年代にブルーマウンテンの種子が持ち込まれた頃から始まりました。

小農家が80%を占めていますが、その栽培環境は世界の中でもトップクラスと言われています。

トロピカルマウンテンは、政府機関であるCoffee Industry Corporation が日本市場向けの特別ブレンドとして作り上げたブランドです。

前回のトロピカルマウンテン記事はこちら

その香りは濡れた木々がしっとりと

口に含むと豆を砕いた香ばしさがわっと広がります。

舌の上に乗る青い酸味に甘味が巻きつき、

喉の奥には、コクが余韻となって伸びていく

最後、鼻に青草のハーブが抜けていきます。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

焙煎 ★☆☆

香り 濡れ木 ハーブ 

エクアドル グラン・カフェタル農園ティピカ〜2020年7月限定コーヒーご案内

2020年7月の限定コーヒーはケニアから「エクアドル グランカフタル農園 ティピカ」です。

エクアドルは南米コロンビアとペルーに挟まれた赤道直下の国です。

熱帯雨林からアンデス山脈、沿岸部まで多様な姿を持っています。

南部ロハのアラモール地区、ピセンテ・カルデナス氏の農園で作られたティピカ100%のコーヒーです。

前回のエクアドルコーヒー

爽やかな酸味が心地よいです。

苦味はほとんどなく、後味にもすっきりとした余韻が広がります。

じめじめした梅雨の季節に爽快を感じさせてくれます。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

焙煎 ★☆☆

2020年ニューイヤーコーヒー~ラオスから届いた希少ティピカ

新年明けましておめでとうございます。本年も何卒宜しくお願い致します。

本年は令和2年、そして2020年というオリンピックが開催される特別な年になりそうですね。

本年最初の月限定コーヒーはラオスから、希少なティピカ種のコーヒーが届きました。

栽培が難しく、流通量自体が大変少ないティピカ種。

ラオスボラベン高原の小農家が、丁寧に育て、ハンドピックした完熟チェリーを水洗で精選し、アフリカンベッドで自然乾燥させたコーヒーです。

豆の入った袋を開けた瞬間、個性のある香りが溢れてきました。

その味はふくよかなコクがあり

口の中で転がすと、ナッツの触感の中に柔らかい酸味がじんわり拡がります。

バランスよくまろやかだけど、しっかりと味わいのあって実に美味しい

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★★

焙煎 ★★☆

ボリビアのマリア~古来原種ティピカを残し育む

11月のコーヒーはボリビアから「ベジャビスタ農園ティピカ 」です。

ベジャビスタ農園は森林保護区、1700mの標高にて栽培されています。

ティピカというのはコーヒーの品種ですが、中南米のコーヒーの起源でもあります。古くからある原種であり、元々はイエメンから渡ってきたと言われています。

様々な交配種が種類になる中でティピカは単一種ゆえに病気などには弱く、栽培は難しいため、ティピカのコーヒー自体が貴重となっています。

農園主のマリアさん。ティピカを守り、育てる。

濡れた木々の香り伸びやかに口当たりインプレッションは柔らかく

酸味が舌先から始まり 甘味に変わり 最後は深みに

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★ ☆

コク ★★☆

焙煎 ★ ☆ ☆

メキシコトラディション~ハニーオアハカ

9月のコーヒーはメキシコから「ハニーオアハカペタテドライ」です。

メキシココーヒーは久しぶりの登場でとても楽しみです。

メキシコ、オアハカ州、ウネカフェ組合に属す小規模珈琲農家によって作られました。

標高は1200mで、栽培品種は伝統品種であるティピカがメインでブルボンも一部あります。

こちらの特徴としては、コーヒーチェリーの精製において、ウォッシュド(水洗方式)にて行うのですが、その後の乾燥において、ペタテと呼ばれるヤシの繊維を編んで作られる敷物の上にチェリーを並べて行います。

この伝統的工程が、はちみつの風味を生む、と言われ「ハニーオアハカ ペタテドライ」と名付けられました。

 ペタテの上で乾燥

組合の農家のみなさま

前回のメキシココーヒー記事

雨に濡れた木々、横たわる炭の香り

苦味が感じられますが、口当たりはハニーの名の通りとてもまろやかで、柔らかい。

 

—-風味バランス—-

苦味 ★★☆

酸味 ★☆☆

コク ★☆☆

焙煎 ★★☆

 

 

バリ島のシャンパーニュ

7月のコーヒーはインドネシアバリから「バリ神山ナチュラル」です。

完熟しかティピカチェリーをハンドピックで収穫。

その日のうちに山のふもとまで運び、天日乾燥により精選しました。

前回のバリコーヒー記事

飲んだ瞬間から酸味が舌に絡みつきますが、

まろやかな風味に包まれて、刺激はありません。

まるで口の中で弾け続けるシャンパンの泡のような

楽しいコーヒーです。

 

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★☆☆

焙煎 ★☆☆