航海時代の伝説と黄金のモンスーンコーヒー

柔らかい春の風が本当に気持ち良いですね。

満開だった桜ははや葉桜に

街には新入生や新入社員の初々しい姿がちらほら

さて、4月のコーヒーのご紹介です。

「インド モンスーン マラバール」です。

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まだ帆船の時代、コーヒーをインドからヨーロッパまで輸送するのに半年以上もかかりました。

この長い航海中に船倉に保管された コーヒー豆は時間をかけてゆっくりと熟成され、不思議なことに黄金色に変わり、独特の香味を持つようになりました。

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他のコーヒーにはない、そのエキゾチックな風味は人々を魅了しました。

その後、帆船から蒸気船へと変わり、スエズ運河が開通すると、インドからヨーロッパまでの航海日数は大幅に短縮 されることになり、時代と共にこのコーヒーは姿を消しました。

しかし、人々はあの黄金色のコーヒーの独特の香味を 懐かしみ、インドのコーヒー生産者はこの熱望に応えるために、アラビア海から吹き付けるモンスーン(貿易風・季節風) を利用したモンスーンコーヒーの生産をアラビア海に面するマラバール海岸で始めました。

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インド南部中央に位置するマンガロール産アンウォッシュド・アラビカコーヒーをパーチメントの状態で、南西のアラビア 海岸部(マラバール海岸)に運びます。

風通しの良い倉庫で4~6インチの厚さに広げ、数日間乾燥させ幾度となく丁寧に かき混ぜ、その後袋に詰めて列に並べ寝かせます。

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モンスーンがコーヒー全体に均一に吹きあたるようにするために、 列と列の間は十分に広げ、袋の列を並び変えます。さらにコーヒーを袋から出しては詰め替える作業を繰り返します。

こうして手間暇をかけた作業を6~7週間も続けると、あの黄金色の姿と独特の持ち味を、当時のまま残した モンスーンコーヒーが出来上がります。

さて、その味は、

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今までに触れたことのない独特の香りに少し驚きました。

その味は苦味がまずしっかりと現れます。

だけど、全体にみずみずしさがあり、まるで煎ったお茶のような不思議な風味があります。

個性的な味で、とても面白いコーヒー体験ができますが、苦手な方もいらっしゃるかもしれません。

—-風味バランス—-

苦味 ★★★

酸味 ☆☆☆

コク ★☆☆