エクアドルの至宝 ~赤道直下の太陽が育む、唯一無二のコーヒー「グレートマウンテン」〜2025年1月限定コーヒー

南米大陸の赤道直下、豊かな自然が広がるエクアドル。この地には、アンデスの高峰、太平洋沿岸、そしてアマゾン熱帯雨林が共存し、息を呑むような美しい風景が広がっています。そして、この豊かな土地で育まれるエクアドルコーヒーは、世界でも類を見ない風味と個性を持ち、多くのコーヒー愛好家の心を捉えています。

そんなエクアドルコーヒーの物語を紐解くと、赤道直下の太陽、気候、そして何よりも人々の情熱が生み出した一杯に出会うことができます。


エクアドルのコーヒーの歴史:試練を越えた希望の物語

エクアドルでのコーヒー栽培が始まったのは18世紀後半とされています。当初は主にアラビカ種が栽培され、ヨーロッパ市場への輸出が拡大。19世紀後半には、エクアドルは世界有数のコーヒー輸出国の仲間入りを果たしました。

しかし、20世紀に入るとコーヒー産業は大きな試練を迎えます。気候変動や病害虫の被害が拡大し、さらに石油産業の発展によって農業分野への投資が後回しにされる時期がありました。多くの農家が生産をあきらめざるを得ない状況に追い込まれたのです。

それでも、エクアドルの農家たちはコーヒー栽培を諦めませんでした。伝統的な手法を守りながら、小規模ながらも高品質なコーヒーの生産に力を入れ続けたのです。特に21世紀に入ってからは、スペシャルティコーヒー市場でその品質が評価され、国際的なコンテストで賞を受けることも増えています。エクアドルコーヒーは、試練を乗り越え、世界で再びその地位を確立しつつあります。


エクアドルの多彩な産地:風味の宝庫

エクアドルが誇る多様な地形と気候は、ユニークなコーヒーの個性を形作ります。主な産地を巡りながら、それぞれの地域が生み出す味わいの旅に出ましょう。


マナビ地域:太平洋が育むフルーティーな一杯

エクアドルの太平洋沿岸部に位置するマナビ地域。今回のコーヒーの産地です。温暖な気候と豊かな土壌に恵まれたこの地域は、フルーティーで爽やかな味わいのコーヒーで知られています。
特に、柑橘系の香りと軽やかな酸味が特徴的で、エスプレッソにするとその鮮やかな個性が一層際立ちます。この地域のコーヒーを一口飲めば、陽光輝く海辺を思い浮かべることでしょう。


ロハ地域:アンデスの秘宝が生む深み

標高1,800メートルにも達するロハ地域では、昼夜の寒暖差がコーヒー豆に豊かなフレーバーを与えます。この条件が豆の成熟をゆっくりと進め、複雑で深みのある味わいを実現しています。
ロハのコーヒーは、ダークチョコレートのような甘みとスパイシーなニュアンスが特徴で、濃厚な一杯を楽しむことができます。アンデス山脈に抱かれた自然の恩恵が感じられる逸品です。


ピチンチャ地域:首都の高地が生む繊細さ

首都キトを中心とするピチンチャ地域は、高地特有の冷涼な気候と豊富な日照量が魅力です。この地域で生まれるコーヒーは、酸味が強く、ベリー系のフレーバーが際立つ繊細な味わいを持ちます。
紅茶のような軽やかな口当たりのこのコーヒーは、特にフルーティーな味わいを好む方におすすめです。洗練された一杯の中には、赤道直下の冷涼な空気が詰まっています。


エクアドルコーヒーに込められた情熱

エクアドルのコーヒー農家たちは、栽培から収穫、精製に至るまで、手作業で丁寧に行っています。収穫期には、真っ赤に熟したコーヒーチェリーだけを手摘みで選び、ウォッシュドプロセスやナチュラルプロセスといった伝統的な方法で豆を精製します。
それぞれの農家が土地の個性を最大限に活かし、一杯に情熱と自然の恵みを詰め込んでいるのです。

農家たちは、「ただの飲み物」ではなく、地域の歴史や文化、そして自分たちの誇りを込めた「作品」としてコーヒーを生み出しています。一杯のコーヒーを飲むたびに、それがエクアドルの地から生まれたことを感じられるでしょう。


エクアドルコーヒーを味わおう

エクアドルコーヒーは、多様な風味と品質の高さで、世界中のコーヒー愛好家を魅了しています。その一杯に詰まった物語を味わえば、エクアドルという国の豊かさ、そして人々の温かさに触れることができるでしょう。

次にコーヒーを選ぶとき、ぜひエクアドル産を手に取ってみてください。その奥深い味わいとともに、赤道直下の太陽と大地、そして人々の情熱に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

グレートマウンテン:エクアドルの高地から生まれた至宝

エクアドルのコーヒーの中でも、特に注目を集めているのが「グレートマウンテン」です。標高1200メートルの高地で栽培されるこのコーヒー豆は、昼夜の寒暖差が大きく、豊かな土壌から栄養をたっぷり吸収して育ちます。手摘みで収穫された完熟したチェリーのみを使用し、丁寧に選果された豆は、洗練された風味を私たちに届けてくれます。

グレートマウンテンの特徴は、その複雑で深みのある味わいです。豊かなアロマと、口の中に広がる滑らかな舌触り、そして余韻に残る甘みが特徴で、まるでアンデスの雄大な自然を凝縮したような贅沢な一杯と言えるでしょう。

味について

 コーヒーを淹れる過程からオレンジピールとカカオの香りが漂います。少し苦味を感じますが、深いコクがあり、全体のバランスがよく、ティピカ品種らしいクリーンさがありビターさをまろやかに楽しめます。

—-風味バランス—-

苦味 ★★☆

酸味 ★☆☆

コク ★★★

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆  

フレーバー:オレンジピール、カカオ、アーモンド

農園データ

生産国エクアドル
標高1200
品種ティピカ、ブルボン、カツーラ
精選ウォッシュド

赤道直下、アンデス火山から届いたアンバランスさと瑞々しさ〜エクアドルSHBチト(2023年7月)

赤道という名の国

 エクアドルのコーヒーについて少し紹介しましょう。「エクアドル」とは実は、スペイン語で「赤道」という意味で、その名の通り赤道直下に位置している国です。アンデス山脈が国土を通り、大部分が山岳地帯に覆われています。赤道の熱帯地域と、アンデス山脈の火山灰土壌がコーヒー生産にとっても非常に適した場所であることがわかります。

 エクアドルは、15世紀には、インカ帝国に支配下にあり、1526年スペインのフランシスコ・ピサロの侵攻二よりスペイン植民地となりましたが、1830年に独立しました。エクアドルには、独特の進化をする動植物の宝庫と言われるガラパゴス諸島があります。

フランスの探検隊が持ち込んだブルボン

 エクアドルのコーヒー豆の歴史についてですが、最初にコーヒーの木が持ち込まれたのは19世紀にフランスの探検家がブルボン種を持ち込んだと言われています。火山灰質の土壌、アンデス山脈の高山地帯で寒暖差が大きいなど、コーヒー豆の栽培に適しており、コーヒー豆栽培は産業の中心となりました。

エクアドルは、量産品であるインスタントコーヒー用豆の一大産地でもあり、インスタントコーヒーの原料に使われているロブスタ種の栽培も行っており、その比率はアラビカ種6割に対してロブスタ種が4割となっています。

希少品種ティピカ・メホラード

 エクアドルのコーヒー生産地としては、アラビカ種のコーヒー豆を国内で一番多く生産している沿岸部のマナビ地方、生産量は国内の約50%を占めていて、標高200〜700mの低いエリアで大量生産を実現しています。次が、内陸の南部にあるロハ地方で、国内の約20%がここで栽培されています。栽培地の標高は1000m~2000mと栽培には最も適した高さです。そのため品質が高く、ロハ地方のコーヒーはコーヒー品評会にも多く登場しています。

今回のコーヒーは、チトはロハからさらに南へいったエクアドル最南端にあります。標高1500m、良質な土壌と気候に恵まれ、近年は、スペシャリティコーヒーの生産を増やしていくことを目指しています。

先月ご提供したたボリビアコーヒー「ビオ・アラビカ」もアンデス山脈のコーヒーでしたね。

今回のコーヒーの品種はティピカ・メホラードです。ブルボン種と、エチオピア原種を交配したものと判明しており、非常に珍しい

アンバランスさから溢れる瑞々しさ

 口に含んだ瞬間から柑橘の酸味が強く現れます。しかし、同時に甘味も隠れていて、まろかやさで包まれます。余韻には青みのある渋さが残り、ここは好き嫌いがありそうです。まだ、全体的に、アンバランスさがありつつも、瑞々しさとビビッドな風味は特徴的で面白いです。将来に期待したいポテンシャルを感じます。

苦味 ★★☆

酸味 ★★★

コク ★★☆

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆

フレーバー:レモン、青草、鉄、焼き芋

農園データ

生産国エクアドル
生産地域サモラ・チンチペ県チト地区
生産高度1,543m
精選方法ウォッシュド
収穫時期

エクアドル 赤道直下の原種 アンデスマウンテン〜2021年11月限定コーヒー

11月限定コーヒーはエクアドルから「アンデスマウンテン」です。

南米北西部、赤道直下にあるエクアドル

マナビ県カスコル地区は標高600メートルの小農家で生産されたコーヒーです。

ブルボンと共に、コーヒー豆の原種と言われるティピカを中心に栽培されています。

前回のエクアドルコーヒー

苦味もしっかり感じられ 大人の味わいです。

豆の深い香ばしさを感じられます。

舌に残る酸味に楽しさもあります。

—-風味バランス—-

苦味 ★★☆

酸味 ★★☆

コク ★☆☆

甘み ★☆☆

焙煎 ★☆☆

フレーバー:ダークチョコレート、さつまいも、スモーク

エクアドル グラン・カフェタル農園ティピカ〜2020年7月限定コーヒーご案内

2020年7月の限定コーヒーはケニアから「エクアドル グランカフタル農園 ティピカ」です。

エクアドルは南米コロンビアとペルーに挟まれた赤道直下の国です。

熱帯雨林からアンデス山脈、沿岸部まで多様な姿を持っています。

南部ロハのアラモール地区、ピセンテ・カルデナス氏の農園で作られたティピカ100%のコーヒーです。

前回のエクアドルコーヒー

爽やかな酸味が心地よいです。

苦味はほとんどなく、後味にもすっきりとした余韻が広がります。

じめじめした梅雨の季節に爽快を感じさせてくれます。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

焙煎 ★☆☆

赤道直下のアラビカ、バナナシェードに育まれて


11月のコーヒーはエクアドルから「エクアドル グレートマウンテン」です。

エクアドルは赤道直下に位置し、南部の高地と西部の海外でアラビカ種のコーヒーが生産されています。

 

グレートマウンテンは、年間降水量が安定した高地のマナビ地区で栽培され、

高級アラビカコーヒー産地として名高い産地です。

バナナやココアのシェードツリーの日陰と最適な湿度の中で、

大粒のコーヒーが出来上がります。

 

前回のエクアドルコーヒーの記事はこちら。

口に含むとナッツの触感が広がります。
舌にからまる酸味を追いかけるように深いコクが広がります。
後味は軽く、余韻は爽やかです。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

焙煎 ★☆☆