その名はリラ〜ニカラグアサンタアナ農園(2023年3月)

中米最大の国、ニカラグア

 ニカラグアは中米の中心にあり、北はホンジュラス、南はコスタリカに挟まれています。人口は600万人、国土は13万㎢で中米の中ではもっとも国土面積が広く、農業がさかんな国です。コーヒーの産地は北部山岳地帯を中心に広がっています。

 ニカラグアは19世紀の半ばにコーヒーがもたらされると、コーヒーは産業の中心となり、国の経済を支えてきました。また、96%程度のコーヒー農園は原生するシェードツリーに覆われており、ニカラグアの中で生態系や土壌・水源を保安する役割を担っています。

 ヒノテガ県はニカラグア北部に位置するコーヒーの生産の中心地で、豊かな火山性の土壌と、広大な貯水池であるアパナス湖を擁する標高が高く自然豊かなエリアです。

 火山とコーヒー豆の切っても切れない関係はこちらの記事に詳しいです。

農園主リラ、30年をかけて

 サンタアナ農園はこのヒノテガ地区に位置する、90年以上の歴史を持つ伝統ある農園です。農園内には小川が流れ、多くの動物や昆虫たちが生息するなど、自然豊かな環境を有しており、レインフォレスト・アライアンスなど、サステイナブル認証も取得しております。

 3代目である女性農園主のリラは、農園内の母屋で生まれ育ち、父親からこの農園を受け継いでから30年以上、高品質コーヒーの栽培に取り組んできました。100%手摘みの原料はその熟度にもこだわり、精選工程の中でも完熟割合を高めるべく取り組んでいます。完熟したチェリーは、その果実の甘みを豆に浸透するのです。

 完熟チェリーについてはこちらの記事が詳しいです。

完熟チェリーが落ちてくる

 最初口に含むと甘酸っぱさが表れます。そして、しっかりとしたコクがその後に伸びていきます。余韻はすっと消えていき、ふくよかな口当たりだけが残されます。

 完熟チェリー由来の甘みと酸味、雑味は全く感じられなく、とても飲みやすいのに、深いコクも楽しめる一級品です。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★★

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆

フレーバー:濡れた木、ベリー

農園データ

所在地ヒノテガ県ラ・フンダドーラ地区
標高約1,200m
平均降雨量2,500mm/年
開花期3〜5月
収穫期10〜12月
面積約104ha
生産量約2,570袋
栽培品種カトゥーラ、ビジャサルチ等

アフリカの真珠 コードネーム「SL」〜ウガンダ BUKONZO(2023年2月)

アフリカの真珠

 ウガンダはアフリカ大陸の東部に位置する、コーヒーの生産国として有名なケニアやタンザニアなどに囲まれた内陸国です。

 国土は約24万㎢で日本の本州と同じくらいの広さに、人口約4,000万人が暮らしています。

 国の真ん中を赤道が通っており、自然に恵まれています。その美しさから「アフリカの真珠」と呼ばれています。

 やはり、農業が経済の中心で、トウモロコシやアボカドなどが作られていますが、その中でもコーヒーはウガンダの経済を支える主要な農産物の1つとなっています。

 ウガンダは、実は、エチオピアに次いでアフリカの中でもNo.2のコーヒー豆の生産国です。一方、大半は「大量生産可能」なロブスタ種が80%以上と言われています。一方、一部の農園では、「手間暇がかかる」が風味がより豊かなアラビカ種の生産をおこなっています。

 本コーヒーも、ウガンダで希少なアラビカ種である、「ニアサランド」品種が使われています。他には、一風変わった名前のSL14、SL28があります。

コードネームSL

 20世紀初頭、当時イギリスの植民地であったケニアに「スコット農業研究所 (Scott Agricultural Laboratories)」という機関が設立され、そこでは、コーヒーの研究開発も行われました。選別による品種改良を経て生まれたコーヒーに当研究所の頭文字を取って「SL」というコードが付けられたのです。この研究所コードとシリアル番号を組み合わせたものがそのまま品種名となったため、コードネームのような名前が生まれました。

 なお、「SL28」は、ブルボン種がオリジンで、乾燥耐性と優れた風味を持った品種です。「SL14」はティピカ種がオリジンで、乾燥耐性、低温耐性に優れた品種となっています。

そこに風格がある

 しっかりと感じる苦味と、深みのあるコクを感じられます。ずっしりとした重みに風格を感じます。

 少し舌を刺激する渋さが、ストレートコーヒーに慣れていない方だと、意外に感じるかもしれません。まろやかさがもう少しあると良いかもしれません。

—-風味バランス—-

苦味 ★★★

酸味 ★☆☆

コク ★★☆

甘味 ★☆☆

焙煎 ★★☆

フレーバー:木の皮、焼き芋、灰

表通りから中に入って〜裏町ブレンド登場(栄店1月限定)

栄の裏町で

西原珈琲店の1987年以来、実に35年ぶりの新ブレンドが生まれました。

栄の表通り、大津通から中に入った裏通りの東本重町通り、そこに立てかけられた看板を曲がって、さらに奥にある栄店

裏町だから味わえる時間、味わい

その名は

裏町ブレンド

ハウスワインのように

南米、アフリカの3種のストレートコーヒーをブレンドした裏町ブレンド、

フルーツティーのような甘いフレーバーと、柔らかな口当たり

苦味はなく、酸味も穏やかに、だけど、しっかりと感じられる豆の香ばしさ

ハウスワインのようにどんなフードやケーキにも合うでしょう

1月限定となってございます。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★☆☆

コク ★★☆

甘味 ★★★

焙煎 ブレンド  

フレーバー:林檎、フローラル

年のはじまり、農のはじまり、はじまりのコーヒー〜パプアニューギニア ハイランドスウィート(2023年1月)

年の始まり 農業が生まれた地から

新年あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い致します。さて、2023年1月の限定コーヒーは、パプアニューギニアから「ハイランドスウィート」です。

パプアニューギニアは太平洋の島国です。日本からはるか南に、オーストラリアの北の赤道付近にあります。

もともとは、ニューギニア島という世界で2番目に大きな島があり、その島の東半分がパプアニューギニアで、西半分はインドネシアとなっています。

パプアニューギニアのコーヒーの歴史は浅く、1930年代にヨーロッパ人の宣教師によって、ジャマイカの有名なコーヒー品種である、「ブルーマウンテン」の苗木が移植されたことが本格的なコーヒー栽培のきっかけとなっています。

一方で、パプアニューギニアは、世界で最も初期に、農業を始めたとも言われています。その証拠となっているのが世界遺産に登録されている「クックの初期農耕遺跡」です。詳細はこちらの記事をご覧ください。

甘さが追いかけてくる

飲んでみてまず感じる苦味、スイートと名付けられた割に苦いのだなと思った瞬間、

甘味が後から追いかけてきます。余韻には、舌を優しく刺激する酸味の上にも甘さが転がります。

もう少しコクがあれば、全体の味が引き締まってバランスの良い風味になったかなと思いました。

—-風味バランス—-

苦味 ★★★

酸味 ★★☆

コク ★☆☆

甘味 ★★☆

焙煎 ★☆☆  

フレーバー:青草、メープル

アンデスの秘境コーヒー〜ペルー マリオ・マルコ・コンドリ(2022年12月)

アンデスの秘境へ

ペルー南部のサンディア渓谷、

ボリビア国境付近、標高 4,700mのアンデス山脈の峠を超えると

アマゾン川の源流域に辿り着きます。

そんな秘境のような場所に、コーヒー農園が立ち現れます。

ペルーの首都リマから遠く離れ、車はおろかバイクも通れない山道の先に点在する農家。

近代化から取り残されたようなサンディア渓谷、今、その地域は、ペルーで最もポテンシャルの高いコーヒー産地として知られています。

農園の主人は、マリオ・マルコ・コンドリ氏、

コンドリ氏は、農園内に生息する動物園、土壌、森林、水資源を保全し持続可能な農法を行っています。

収穫は一粒一粒セレクトピッキングを行い適切な発酵時間の後、水洗処理を行います。水洗時にカナル ( 水路 ) でも選別 を行うなど、究極の品質を追求しています。

ビビッドな酸味、尖ったストレート

口に含んだ瞬間、ビビッドな酸味が飛び込んできます。

その後はビターチョコレートの苦味

少し青いりんごのような渋さと甘味が同時に残ります。

なかなか尖った特徴を持ったストレートコーヒーです。

—-風味バランス—-

苦味 ★★☆

酸味 ★★★

コク ★★☆

甘味 ★☆☆

焙煎 ★★☆  

フレーバー:焼き芋、レモン

King of Coffee〜インドネシア マンデリンG1(2022年11月)

インドネシア、マンデリンの逸品

2022年11月のコーヒーは、インドネシアより「マンデリンG1 バタクの恵み」です。

スマトラ島北部のリントンニフタ地区、マンデリンの優良産地として名高い場所、出荷量の中で極上の豆のみをハンドピックして生まれたのがG1です。

染み入る深いコクと消えない余韻

深い森の中朝日が木漏れ日となって地面に注ぐ

光の差す方へ足を進め、抜けていくと一面にオレンジの田園風景が広がる

眩しさを忘れて、呆然と立ちつくす。

コーヒーを飲むたび、豆を砕いたような香ばしさが口の中いっぱいに広がります。

そのフレーバーは森の中の木々のようなウッディで、ほんのりとリングの甘みが漂います。

舌の上で転がるまろやかさと、優しい酸味。

飲み込んだ後にも、物語は続きます。

伸びやかな香りがいつまでも余韻となって残ります。深いこくがしんしんと深く染み込むように。

コーヒーの王様と言えるようなマンデリンの一級品です。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★★

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆  

フレーバー:ウッド、りんご

その一杯がピューマを救う〜グアテマラコーヒー(2022年9月)

中米のコーヒーキング、グアテマラ

 さて、今月のコーヒーは中米グアテマラからです。グアテマラは、太平洋とカリブ海に面する亜熱帯型に位置します。国土の約70%が火山に囲まれた山岳地帯になっています。厳しい寒暖差や豊富な雨量、火山灰の土壌などコーヒー栽培には絶好の条件がそろっており、高い品質のコーヒー豆を生産しています。火山とコーヒーの関係についてはこちらの記事参照

 グアテマラは18世紀中ごろにコーヒーが持ち込まれ、栽培が開始されたといわれています。グアテマラはスペシャルティコーヒーと呼ばれる高品質コーヒーを生産する主要な産地でもあります。世界最高峰のコーヒー品評会であるカップ・オブ・エクセレンスにも20年以上前から参画しています。コーヒー豆の輸出先はアメリカ・カナダに次いで日本が第3位です。

 グアテマラでは独自の品質等級を設けています。標高が高くなるほど風味も豊かになり高品質とされ、等級は生産地の高度で7等級に分けられ、最高等級は標高1350m以上のSHB(ストリクトリーハードビーン)、1200~1350mはHB(ハードビーン)、以下SH(セミハードビーン)、EPW(エクストラプライムウォッシュド)、PW、EGW、GWとなります。

標高3000メートルのヤマネコを探して

 今月のコーヒーカフェ・ピューマは、SHBグレードのコーヒーです。在来のアラビカ種であるブルボン、カツーラ、ティピカ種のコーヒー豆を、伝統的な水洗式の精選、天日乾燥によって生産された貴重なコーヒーです。

 さて、グアテマラの標高の高い火山の森は、絶滅の危機に瀕するピューマの生息地でもあります。「最強のヤマネコ」とも呼ばれるピューマは、標高3000メートルの高地においても生息することができます。6メートル近いジャンプ力を誇り、獲物を背後から襲います。ピューマの棲むことのできる森は年々減りつつあり、その頭数も減少し続けています。

 カフェ・ピューマの輸出企業であるボルカフェは、自然保護活動の一環として、本コーヒーの売上の一部を、野生ピューマの保護団体であるパンセラ・グアテマラに寄付しています。

このコーヒーを一杯飲むことで、ガテマラの伝統的なコーヒー農家そして、野生のピューマの保護への貢献にも繋がるのです。

保護活動を伝えるボルカフェInstagram

ボルカフェのSDGsステートメント

ずっと口の中に入れていたいコーヒー

 淹れたてのコーヒーからナッツとオレンジの香りが伸びやかに広がります。とてもまろやかに、もぐもぐと味わって飲みたくなる香ばしさに溢れています。

苦味はなく、酸味はキュートな感触で、楽しさを感じることができます。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆  

フレーバー:ナッツ、カカオ、オレンジ

火山とコーヒーの秘密〜パナマ(2022年9月)

最近のこと、東南アジアの日本?

 記録的な猛暑が続いた今年の夏でしたが、気づけば蝉の鳴き声も静まり、日が沈みと秋の虫の音が響いています。私は今年の8月に、インドネシアへ行きましたが、暑い東南アジアの代表のようなジャカルタの暑さは「なんだ、日本とそんなに変わらないじゃないか」と思えてくるほどで、日本の猛暑の激しさを肌で持って感じました。そして、日が落ちた後のジャカルタは、むしろひんやりと涼しく感じるくらいでした。この寒暖差が妙に心地よく感じました。

火山灰とコーヒーの切っても切れない関係

 2022年9月のコーヒーは南米パナマからです。パナマ最高峰のバルー火山周辺斜面の農園から届きました。火山灰土壌は、コーヒーの名産地の一つの条件です。

 有機物を多く含む火山灰の土壌は、コーヒー豆の成長に欠かせない窒素、リン酸、カリウムが豊富に含まれてます。そして、水はけも良いです。海底火山の噴火で生まれたハワイ島のコナ、タンザニアの火山キリマンジャロ、ジャマイカのブルーマウンテンなど、言わずと知れたコーヒーブランドは火山灰の土壌という共通点があるのです。

 コーヒーの産地が標高の高い山にあるのがなぜだろう、と思ったことがあるかもしれません。一つの理由は昼夜の寒暖差です。特に夜の気温が低くなると、コーヒーは種子内に糖類を蓄えることで自らが凍ってしまうことを防技ます。この際に蓄える糖類が、コーヒーのフレーバー・風味に欠かせないと言われています。

 そして、この火山灰土壌で豆が良く育つというのも、もう一つの理由なのです。

その味は、お菓子のよう

 とてもバランスがよく、飲みやすいです。まるでおやつをもぐもぐと楽しむような風味です。べリー感のある、くせのない酸味が心地よく、後味も大変すっきりとしています。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆  

フレーバー:ベリー、カカオ

エルサルバドルの幸せと悲しみの果実〜2022年8月限定コーヒー

最近のこと

 8月も猛暑が続いています。38度を超えるような日もあり、外を歩くと息苦しさを覚えます。先日、私はインドネシアのジャカルタへ出張しましたが、日中の暑さは、日本と変わらないですが、朝や夕方の時間帯は、むしろ東南アジアのジャカルタの方が涼しいとすら感じました。

 学校は夏休み期間ですが、私の子供の頃、真夏でも外で思いっきり遊ぶ、ということは当たり前でしたが、こんなにも暑くなってしまった今日においては、真夏は室内の涼しいところで過ごす、というのが新たな常識となるのでしょうか。

 さて、8月限定コーヒーはエルサルバドルから、「SHGエルグァモブラックハニー」です。

エルサルバドルとは?

 エルサルバドルは、中米七カ国の中で最も小さい国で、その面積は九州の約半分と同じくらいです。グアテマラとホンジュラスの間に位置し、火山や湖が点在しています。サトウキビやコーヒーなどの農業と輸出が主な産業となっています。

Googlemapより

幸せと悲しみの果実〜コーヒーと内戦

 エルサルバドルのコーヒーは、「幸せと悲しみの果実」と言えるかもしれません。1880年代頃からコーヒーが主要な農作物になりましたが、1930年代の世界恐慌によってコーヒーの価格が暴落し、貧困に喘いだ農民の不満が爆発して、1932年に大規模な農民蜂起(La Matanza)が起こりました。約3万人の農民が亡くなったと言われています。

 その後、コーヒー生産は衰退しましたが、1970年代からヨーロッパ移民がコーヒー生産を再興し「14家族(Catorce Familias)」と呼ばれる寡頭支配層によって発展しました。彼らはコーヒー生産によって大きな富を得て、多くの農地を支配し、農村部の小規模生産者は労働者となりました。

 支配層との格差による不満が引き金となって、エルサルバドル内戦が発生しました。聖職者を中心とした農民解放をうたう左派と「14家族」の資金援助を得た右派が争ったこの内戦は、1992年に国連によって和平合意が成立するまで十年以上続きました。

 内戦がエルサルバドルにもたらした被害は壊滅的でした。12年間におよぶ内戦で約5万5千人が命を失いましたが、この和平協定によって、エルサルバドルのコーヒー産業は新たな道を切り開きました。

 アイーダの挑戦 コーヒーのゴミが宝になる時 ~エルサルバドルカスカラティー

ブラックハニーとは

 エルグァモブラックハニーは、エルサルバドル最西部に位置するアワチャパン県タクバ市にあるエルグアモ農園から届きました。

 コーヒーチェリーの精選処理ではウォッシュドというチェリーを水洗いして、果肉を除去した状態で乾燥させる方式が主流となっていますが、

 この際に、ミューシレージと呼ばれる豆を覆う粘液質部分だけ、残した上で、乾燥させる方式をハニープロセス(パルプドナチュラル)という方法があります。

 ハニーと呼ばれるのは、粘液質の果実の甘みが、豆に浸透することで蜂蜜の風味が出るためと言われています。

 粘液質をどのくらい残すかで豆の見た目が変わり、完全に残すと、黒く、半分くらいだと赤く、薄いと黄色くなるため、ブラックハニー、レッドハニー、イエローハニーと分かれます。

 ミューシレージと呼ばれる粘液質を残した状態でゆっくりと乾燥させます。独特で濃厚な甘みとジューシーさを兼ね備えたコーヒーです。

ザンビアのイエローコーヒー記事

前回のエルサルバドルコーヒーはこちら

味について

 コーヒーを淹れた瞬間から、カップから黒糖とメープルの甘い香りが漂ってきます。

口に入れると甘さと一緒に酸味が飛び込んできますが、それは柔らかく、後に残りません。

香ばしさとコクもしっかり感じられ、後味もすっきりしてとても飲みやすいです。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆  

フレーバー:黒糖、メープル、檜

ボリビア コーヒーの学校

2022年7月の限定コーヒーは、ウガンダから、「ソル・デ・ラ・マニャーナ ウォッシュド・カツアイ」です。

●ボリビアのコーヒーについて

まずはボリビアのコーヒーについて紹介したいと思います。ボリビアは南米大陸に位置し、国土の30%以上をアンデス山脈が占めています。ボリビアの首都である「ラパス」は、標高が3500mもあり世界一高い首都と呼ばれ有名です。

コーヒー生産地として最も有名なブラジルやペルーに隣接していて、コーヒー栽培に適した地形や気候となっています。

ボリビアのコーヒーの歴史についても触れたいと思います。

19世紀のスペイン植民地時代に入植したスペイン人によって始められました。当初は、首都ラパスの近くで始まりましたが、標高が3000m以上の土地が多く、土壌も痩せていたために、コーヒー栽培はうまくいかなったようです。その後、栽培をする土地の標高を徐々に下げていき、標高1000~2000mの山の斜面などで栽培されるようになると、コーヒー豆の栽培は安定し、生産量は増加していったようです。

ボリビアの中でも特に、ユンガス地方のコパカバーナ農園のコーヒー豆は質の良いものとして輸出されています。当店でも以前コパカバーナ農園のコーヒーをご提供したことがあります。

●今回のコーヒーについて

今回のコーヒーの生産農園は、アグリカフェ社です。アグリカフェ社は、ボリビアで35年の歴史のある家族経営のコーヒー生産会社で、1986年にペドロ・ロドリゲス氏によって創業されました。

スペシャリティコーヒーと呼ばれる最高品質のコーヒー豆を自社農園で栽培し、世界のロースターへ提供しています。

ボリビアの生産農家・コミュニティ支援も行なっていて、今回の「ソル・デ・ラ・マニャーナ」は、彼らの支援プログラムの柱の一つです。

●ソル・デ・ラ・マニャーナプログラムについて

コーヒー生産者の育成を目的としたプログラムで、生産者の農園の質を向上させるために必要な研修や技術を提供しています。このプログラムは、生産者のための学校として設計されており、7年の歳月をかけて卒業することができます。生産者は、苗床から始まり、植え付け、収穫、害虫予防、剪定、財務管理など、コーヒー栽培のすべてのステップを指導されます。参加者の農園の質と量を向上させるとともに、家族の生活向上を支援しています。

今回のコーヒーは、このプログラムにて生産されたものです。

ウォッシュド(水で洗ってチェリーを除去する精選方法)のカツアイ(コーヒーの品種)です。

さて、どんな味がするでしょうか。

●コーヒーのテイスティング

不思議な酸味を持ったコーヒーです。少し青草っぽい酸味と思うと、

鉄のような無機質な酸味もあります。

木の香りが優雅さを安らぎを運んでくれます。

豆の香ばしさもしっかりと感じられます。

余韻となる後味は雑味が残りますが、そこは次に期待したいです。

—-風味バランス—-

苦味 ★★☆

酸味 ★★★

コク ★★☆

甘味 ★☆☆

焙煎 ★★☆

フレーバー: 青草、鉄、濡れた木