魔法の土とコーヒー〜メキシコ エル・ピラール(2023年5月)

メキシコ、4大コーヒー生産地

 

 今回はメキシコのコーヒーです。メキシコのコーヒー生産は、実は、ブラジル、コロンビアに次ぐ中南米第3位の規模。生産は南部に集中しており、下の地図で囲った場所が主要生産地となっています。地図を見てみると、メキシコ南部から、ガテマラ、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカと、コーヒーの主要生産国が続いています。ちょうど、コーヒーベルトにあることに加え、火山灰豊富な山脈が続いていることもあると思います。

 主要生産地は、

チアパス州のタパチュラ

オアハカ州のオアハカ

プエブラ州のプエブラ

ベラクルス州のコアテペック

となっています。今回は、最南にあるガテマラと接するチアパス州です。

魔法の土

 エルピラール農園は、山脈にあり、歴史的に魔法のように豊富な作物をもたらす土壌ゆえ「魔法使いの山」と呼ばれていたようです。

過去にもコーヒー生産がされていましたが、サビ病の蔓延で、近年は生産の危機に陥っていたところ、2015 年にエルピラール農園主であるクリスチャン・ベルトランド氏が、この地の地元民の収入源となるよう花を植え始め、後に、サトイモ栽培を始めました。

さらに、収益性の高い農産物として、スペシャリティーコーヒーの生産を2016 年から始めたのでした。生産プロセスにおいて様々な工夫を重ねて高品質でユニークなコーヒー作りに取り組んでいる農園です。

風味が踊る

 酸味をしっかり感じます。少し舌に当たる渋さもありますが、甘みがその刺激を和らげてくれていて、そのトーンの変化が踊るようです。余韻には豆の香ばしさが長く漂います。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★★

コク ★★☆

甘味 ★☆☆

焙煎 ★★☆

フレーバー:りんご、青草、木の皮、鉄

農園データ