ブラジル「ダイバースコーヒー」:ブラジルコーヒー物語 太陽の国から届く至福の一杯を〜2024年10月限定コーヒー

ブラジルのコーヒー文化:コーヒーは国民の飲み物

 ブラジルの人々にとって、コーヒーは生活に欠かせない存在です。街角のカフェでは、エスプレッソやカプチーノのほか、ブラジルならではのコーヒーの楽しみ方が提供されています。

  • カフェジーニャ: 小さなカップに注がれた濃いエスプレッソに砂糖をたっぷり入れるスタイルが、ブラジルの伝統的な飲み方です。
  • カフェレテ: エスプレッソに温めたミルクを加えた、まろやかな味わいのコーヒー。ブラジルの家庭でよく楽しまれる一杯です。

ブラジルコーヒーの歴史と特徴:多様性を生み出した壮大な物語

 ブラジルとコーヒーは、世界のコーヒー市場において切り離せない関係にあります。ブラジルのコーヒー産業の発展は、同時に国の経済や社会、そして文化と密接に結びついてきました。ここでは、ブラジルコーヒーの誕生から現在までの壮大な歴史をご紹介します。


ブラジルコーヒーの誕生と成長

 18世紀初頭、ポルトガル人のフランシスコ・デ・メロ・パリェッタによってフランス領ギアナからコーヒーの種が持ち込まれたのが、ブラジルコーヒーの始まりです。当初、コーヒー栽培はブラジル北部で試みられましたが、気候が合わず、18世紀後半にミナスジェライス州やリオデジャネイロ州など、より適した南部へと移行しました。

19世紀には、ブラジルが世界有数のコーヒー輸出国となり、奴隷労働に支えられた大規模なコーヒー農園が急速に拡大しました。しかし、1888年に奴隷制度が廃止され、労働力不足を補うために多くの移民がヨーロッパやアジアからブラジルへと渡ってきます。移民たちの努力により、ブラジルのコーヒー産業はさらに発展し、20世紀にはブラジルが世界最大のコーヒー生産国としての地位を確立しました。


ブラジルコーヒーの多様性

 広大なブラジルの国土は、気候や土壌が地域によって大きく異なるため、コーヒーの風味も多様性に富んでいます。

  • アラビカ種: ブラジルでは主にアラビカ種が栽培されており、その風味豊かな特性で世界中のコーヒー愛好家に愛されています。また、エスピリトサント州ではロブスタ種(カネフォラ種)も盛んに生産されています。
  • 産地の違い: ブラジルにはミナスジェライス州、エスピリトサント州、サンパウロ州など主要な産地があり、それぞれの気候や土壌の違いがコーヒー豆の味わいに影響を与えています。
  • 標高の違い: 高地で育てられたコーヒー豆は酸味が強く香り高い一方、低地で栽培された豆は豊かなコクとしっかりしたボディを持っています。ブラジルのコーヒー産地は中程度の標高が多く、バランスの取れた味わいを生み出しています。
  • 精製方法の違い: ブラジルではナチュラルプロセス(乾燥)やウォッシュドプロセス(洗浄)などの精製方法が使われており、それぞれの方法が風味に独特の違いを与えます。

ダイバースコーヒー:ブラジルコーヒーの多様性を体験

 今月の主役は「ダイバースコーヒー」。このブレンドは、ブラジル各地の異なるコーヒー豆を組み合わせ、多様な風味を楽しめるように作られています。もう一つの特徴は身体に障害を持った方々が働く農園でもあります。

単に異なる産地の豆を混ぜたものではなく、それぞれの豆が持つ独特の特徴を引き出し、丁寧にブレンドされています。


ダイバースコーヒーの産地:セラード、モジアナ、南ミナス

 ダイバースコーヒーに使用されているのは、ブラジルを代表する3つの主要産地、セラード、モジアナ、南ミナスからの豆です。各地域の特徴を見ていきましょう。

  • セラード: ブラジル中央部に位置するセラードは、標高1000メートル前後の高地に広がり、乾燥した気候がコーヒー栽培に理想的な条件を提供しています。この地域のコーヒーは、バランスの取れた風味と力強いコクが特徴です。
  • モジアナ: サンパウロ州北部とミナスジェライス州にまたがるモジアナ地域は、歴史的にコーヒー栽培が盛んな地域です。標高が高いため、繊細な酸味と豊かなアロマが引き立つコーヒーが生産されています。
  • 南ミナス: ブラジル南部のミナスジェライス州は、フルーティな酸味と明るい香りを持つ高品質なコーヒーで知られています。肥沃な火山性土壌と適度な標高が、豊かな風味を持つコーヒーを育みます。

ブラジルの主要なコーヒー産地

ブラジル全土には、数多くのコーヒー産地が存在します。以下はその中でも代表的な産地です。

  • ミナスジェライス州: ブラジル最大のコーヒー生産州で、セラード、モジアナ、南ミナスといった有名な産地が含まれます。
  • エスピリトサント州: 標高が高く、冷涼な気候が特徴です。特に高品質なロブスタ種の栽培で知られています。
  • サンパウロ州: ミナスジェライス州に次ぐ生産量を誇る州で、特にモジアナなどの地域で高品質なアラビカ種が生産されています。

 ブラジルコーヒーの歴史は、国の発展とともに歩んできました。広大な土地、多様な気候、そして人々の努力が、今日のブラジルコーヒーの多様性を形作っています。ダイバースコーヒーは、その豊かな歴史と各産地の魅力を詰め込んだ特別なブレンドです。ぜひ、この一杯でブラジルのコーヒー文化とその多様性を体験してみてください。


味について

 初めて口にした時は薪から漂うスモークとしっかりとした苦味が感じられて深みある重為のコーヒーかなと思いきや、少しずつ飲み進めるほどの甘さが出てきて、カップの底に近づくと柔らかさと穏やかな酸味が現れてきて、なんとも飲みやすさが溢れてくる。ゴツゴツの岩山の隙間を縫うようにしてくぐり抜けた先に一面に広がる草原に癒される、そんなストーリーを見せてくれるコーヒー。

—-風味バランス—-

苦味 ★★★

酸味 ★★☆

コク ★★☆

甘味 ★★☆

焙煎 ★★☆  

フレーバー:薪、スモーク、カカオ

農園データ

生産国ブラジル
標高
品種No2 S17/18、No4/5 S14/15/16
精選セラード、モジアナ、南ミナス