cafe Kahve haneは、2024年2月14日より休業とさせていただきます。
これまで栄、錦三丁目にてマリアージュフレールの紅茶と本格コーヒー、そして日替わりのこだわりのパスタをお楽しみ頂ける本格カフェとして、皆様にご愛用頂き、従業員一同、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
Khave hane跡は、2024年3月1日より西原珈琲店分店として、この場所と歴史を受け継ぎ新たな船出となります。西原珈琲店分店の詳細はこちらです。
cafe Kahve haneは、2024年2月14日より休業とさせていただきます。
これまで栄、錦三丁目にてマリアージュフレールの紅茶と本格コーヒー、そして日替わりのこだわりのパスタをお楽しみ頂ける本格カフェとして、皆様にご愛用頂き、従業員一同、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
Khave hane跡は、2024年3月1日より西原珈琲店分店として、この場所と歴史を受け継ぎ新たな船出となります。西原珈琲店分店の詳細はこちらです。
今回はメキシコのコーヒーです。メキシコのコーヒー生産は、実は、ブラジル、コロンビアに次ぐ中南米第3位の規模。生産は南部に集中しており、下の地図で囲った場所が主要生産地となっています。地図を見てみると、メキシコ南部から、ガテマラ、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカと、コーヒーの主要生産国が続いています。ちょうど、コーヒーベルトにあることに加え、火山灰豊富な山脈が続いていることもあると思います。
主要生産地は、
チアパス州のタパチュラ
オアハカ州のオアハカ
プエブラ州のプエブラ
ベラクルス州のコアテペック
となっています。今回は、最南にあるガテマラと接するチアパス州です。
メキシコではコーヒーの等級を以下の表にあるように、生産地の標高で分別しています。
SHG | STRIETHY HIGH GROWN/ ストリクトリー・ハイ・グロウン | 標高約1700m以上 |
---|---|---|
HG | HIGH GROWN/ ハイ・グロウン | 標高約1000m以上1700m未満 |
SD | STANDARD/ スタンダード | 標高約1000m未満 |
今回のコーヒーも最高等級のSHGです。
ほうじ茶の香ばしさがほんのりと漂う。酸味しっかりと舌を刺激。重心は弱めで、柔らかくふわふわと、口当たりはフルーツティーのよう。春がふくよかにやってくる。
苦味 ★☆☆
酸味 ★★★
コク ★★☆
甘味 ★★☆
焙煎 ★★☆
フレーバー:ほうじ茶、レモン、炭
生産国 | メキシコ |
生産地域 | チアパス州 |
品種 | 等級:SHG ストリクトリー・ハイ・グロウン |
2024年あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い致します。なお、能登半島で発生した大地震により甚大な被害が発生し、犠牲となった方に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々がいち早く日常に戻ることをお祈りしております。
本年最初のコーヒーはグァテマラ共和国より、ウエウエテナテンゴです。
グアテマラは、太平洋とカリブ海に面する亜熱帯型に位置します。国土の約70%が火山に囲まれた山岳地帯になっています。厳しい寒暖差や豊富な雨量、火山灰の土壌などコーヒー栽培には絶好の条件がそろっており、高い品質のコーヒー豆を生産しています。火山とコーヒーの関係についてはこちらの記事参照
グアテマラは18世紀中ごろにコーヒーが持ち込まれ、栽培が開始されたといわれています。グアテマラはスペシャルティコーヒーと呼ばれる高品質コーヒーを生産する主要な産地でもあります。世界最高峰のコーヒー品評会であるカップ・オブ・エクセレンスにも20年以上前から参画しています。コーヒー豆の輸出先はアメリカ・カナダに次いで日本が第3位です。
グアテマラでは独自の品質等級を設けています。標高が高くなるほど風味も豊かになり高品質とされ、等級は生産地の高度で7等級に分けられ、最高等級は標高1350m以上のSHB(ストリクトリーハードビーン)、1200~1350mはHB(ハードビーン)、以下SH(セミハードビーン)、EPW(エクストラプライムウォッシュド)、PW、EGW、GWとなります。
なお、今回のコーヒーも最高等級のSHBです。
グァテマラの中でも良質の豆が生産されることで有名なウエウエテナンゴ地区は、グァテマラ北西を横断するクチュマタネス山地にあり、最大標高 4,000mの石灰岩山周辺にて、1870年からコーヒー栽培が始まっています。
グァテマラのコーヒー生産地域としては標高が最も高い地域に位置しており、クチュマタネス山地から吹き下ろされる冷たい風と、メキシコのテウアンテペック平原から吹き付ける乾燥した風のおかげで、2,000m近い標高があるにもかかわらず、霜害から守られ良質のコーヒー豆が栽培される地域となっています。寒暖の差が出来る高い標高と肥沃な台地は、まさにコーヒー栽培に適しているのです。
本コーヒーの生産農協である、トドサンテリタ農協では、収穫されたコーヒーを24時間自然発酵させた後に水洗、その後パティオで48時間〜60時間かけて乾燥させた伝統的なウォッシュドを採用しています。
専門チームによる土壌保全や浸食防止のための土地の段々畑化、剪定、有機堆肥を中心とした施肥と適切な散布を行うとともに、シャロームと呼ばれる木の導入によるシェードマネジメントを行うことで、コーヒーの品質向上を図っています。
コーヒーを蒸らす瞬間から、梅の甘酸っぱい香りが立ち上りました。口に含むと、舌に残らないクリーンな酸味が心地よく、控えめな甘味と相まってとてもバランスが良いです。飲み干した後の余韻には、ふたたび梅が漂い春の訪れを予感してくれるかのようです。
苦味 ★☆☆
酸味 ★★★
コク ★★☆
甘味 ★★☆
焙煎 ★★☆
フレーバー:梅、濡れた木、スモーク
生産国 | ガテマラ |
生産地域 | ウエウエテナンゴ県 |
生産高度 | 1,350〜1,650m |
精選方法 | ウォッシュド |
品種 | 規格:SHB EP カツーラ(65%)、ブルボン、マルセレサ、ティピカ |
2023年も残すことあと僅かとなりました。今年最後となる限定コーヒーのご紹介となります。パプアニューギニア、イースタンハイランド州から『MORITA』です。思えば、今年の最初のコーヒーもパプアニューギニアの逸品でした。
パプアニューギニアは太平洋の島国です。日本からはるか南に、オーストラリアの北の赤道付近にあります。
もともとは、ニューギニア島という世界で2番目に大きな島があり、その島の東半分がパプアニューギニアで、西半分はインドネシアとなっています。
パプアニューギニアは、世界で最も初期に、農業を始めたとも言われています。その証拠となっているのが世界遺産に登録されている「クックの初期農耕遺跡」です。
パプアニューギニア南部の海抜1500m地点の湿地帯にある、ニューギニア島最古の農耕地であり、発掘調査では、少なくとも7000年前から耕作が行われてきたことが判明しています。
タロイモやヤムイモなどの生産活動が、開始以来一度も途絶えていない場所でもあります。約6500年前に植物採集が農業へと変わったこの場所では、初めは単なる盛り土をして耕作していました。
しかし、やがて木製の道具で溝を掘って湿地を干拓し、4000年前にはバナナの栽培も始まったことが考古学的に証明されています。これほどの長期にわたり、独自の農業の発展や農法の変化について考古学的な裏付けのある場所は、世界にも類がないのです。
写真は世界遺産公式サイトの記事より。
パプアニューギニアのコーヒーの歴史は浅く、1930年代にヨーロッパ人の宣教師によって、ジャマイカの有名なコーヒー品種である、「ブルーマウンテン」の苗木が移植されたことが本格的なコーヒー栽培のきっかけとなっています。
年間生産量の85%以上を零細農家が占めており、そのほとんどが標高1,500mを越える高地でアラビカを栽培しています。
そして、精霊の名前が由来となり名付けられたバロイダ農園。その中でも最も標高が高いエリアを 「MORITAエリア」と呼びます。
農園主の名前は、ベン・コルブラン氏、1963年に栽培を始めてから少しずつ農園を広げていきました。1997年からは、ご子息のニコル氏が経営を引き継ぎ、地元の小農家と連携し、適正なロット管理を行い、手作業によるチェリー選別と高度な生産プロセスを通じて、世界でもトップレベルのコーヒーを届けています。
レモングラスの滋味な香りと、フローラルが相まって、とても華やかな印象です。酸味もしっかりと感じられますが、舌に残らずコクを感じさせてくれる大変バランスの良い仕上がりです。飲み口は柔らかなく、抵抗なく最後の一口まで楽しむことができます。
苦味 ★☆☆
酸味 ★★★
コク ★★★
甘味 ★★☆
焙煎 ★★☆
フレーバー:レモングラス、フローラル、ウッド
生産国 | パプアニューギニア |
生産地域 | イースタンハイランド州 |
生産高度 | 1,700m |
精選方法 | ウォッシュド |
品種 | アルーシャ |
西暦850年の話である。エチオピアにカルディという名の羊飼いの青年がいた。もうすぐで日が暮れそうな時間、まだ太陽は低い位置から草原の先端を照らしている。羊達がのそりと歩きながら草を食んでいるのを、カルディは大きなユーカリの大木の根に腰掛けて、目を薄く開けて眺めていた。
羊達の群れを保ち、餌場に移動させ、オオカミから群れを守る、この羊飼の仕事は代々受け継がれていて、100年も以上も前からずっとカルディの家の仕事として続いているのだ。
自分もまた、その連綿と続く同じ紐の1つの結び目でしかない。そんなことを考えながら日が沈む前のひと時をカルディはまどろんでいた。
ふと、カルディは一頭の老羊が見当たらないことに気づいた。立ち上がって辺りを探していると、急に、叫ぶような大きな音がしたので、音があった方へ目をやると、それまで見たこともない鬱蒼とした低木の間で、迷った老羊が奇声を上げて飛び跳ねているではないか。
カルディは走ってその羊のところへ行くと、羊は実に愉快な様子で跳ねている。そして、羊の足元には見たこともない、黒い実が散乱していた。しまった、毒を食べたか。
急ぎその老羊を群れに戻したが、その後も羊は実に元気に飛び跳ねていて、その姿は威勢の良いことこの上ない。あの実は一体なんなんだ。その夜、群れを柵の中に戻した後も、老羊は倒れることも死ぬこともないどころか、いつまでも寝ないのだ。
カルディもその老羊が毒で倒れないか不安な気持ち半分、神秘に惹かれる気持ち半分、外に出て老羊と一緒にずっと朝まで起きていた。
東の地平から太陽が頭を出し始めた。カルディは一目散に、例の低木のところへ走っていった。そして、老羊が食べた実を見つけると、一つ取って、恐る恐る口に運んでみた。その実はほんのりと甘いが、酸っぱく中には固い種があった。カルディは思い切ってその種まで齧ってみた。うん、毒ではなさそうだ、カルディはひとりごちた。
しばらくすると、カルディは、なんだか体の芯に熱がこもって来るのを感じた。そして、昨晩は一睡も寝てないのに、頭が実にすっきりとして視界もくっきりと鮮やかになるのを感じた。
それ以降、カルディはこの魔法の実に魅せられ、彼の退屈だった羊飼の日常は、大きく変わった。羊達と踊り、歌う刺激的な日々が始まったのだ。
ある時、カルディはこの実を修道院へ持って行った。修道士は、カルディの実の話を聞いて、その実を手に取り、これは禁断の実に違いないと、すぐにそれを修道院の庭にある火鉢の中で全て放り込んだのだ。カルディはあっ、と叫んだ。
すると、驚いたことに、その火の中からはそれまで誰も嗅いだこともない甘く芳醇な香りが流れてきて、しばらくの間、修道院全体をその香りが包んだのだった。修道士達は誰もが、その香りに包まれて自然と笑みが溢れたという。
⚫︎
この話は、コーヒー発祥の地エチオピアに伝わる羊飼いカルディのコーヒー発見の伝説を筆者が脚色したものです。エチオピアにはこのようなコーヒー発祥の伝説が幾つもあるのです。
アフリカ大陸北東に位置するエチオピア。首都は標高2,400mのアディスアベバで、エリトリアやジブチ、ソマリア、ケニアを含む周辺地域の形から「アフリカの角」と呼ばれています。人口は約1億1,787万人で、アフリカではナイジェリアに次ぐ人口規模です。オロモ人、アムハラ人、ティグライ人、ソマリ人といった約80の民族からなる多民族国家で、公用語にアムハラ語、オロモ語、英語などが使われています。
コーヒーの原生品種である「アラビカ種」の発祥地と呼ばれており、コーヒーはエチオピアではじめて発見され、アフリカ大陸から世界へ広がっていきました。エチオピア南西部のカファ地方で、世界で初めてアラビカ種が発見されたことから、カファの名がコーヒーの語源になったという説があります。
エチオピアと海を挟んだ中東イエメンのコーヒー豆は「モカ」と呼ばれます。この由来は、イエメンの港・モカ港です。かつては、エチオピア産コーヒーは、イエメンのコーヒーと共に、モカ港から輸出されていました。モカの詳しい呼び名としては、エチオピアコーヒーは「エチオピア・モカ」「モカ・ハラー」と呼ばれ、イエメンコーヒーを「モカ・マタリ」と呼ばれています。
⚫︎
今回のコーヒーは、エチオピアの原生品種のコーヒーです。標高は実に2,500mにあるイルガチェフ村にその農園があります。村に近いアバヤ湖は、エチオピアが有する名湖の一つです。川、森、湖、そして高い標高、火山灰土壌、という恵まれた条件がイルガチェフのコーヒーを特別なものとしています。
エチオピアのコーヒーはナチュラル精製が主流ですが、イルガチェフェは伝統的な水洗処理、天日乾燥により仕上げられています。その中でも選りすぐられた トップグレードが、今回のコーヒーであるイルガチェフェ・G1です。
一口飲めば、このコーヒーが他のものと一線を画すものであることがわかります。口の中で炸裂する柑橘の酸味、そしてダークチョコレートの甘味、一気にスパークしたかと思った瞬間、まるで魔法のようにそれは姿を消してしまいます。雑味も渋みも苦味も残さず、しかし、深く、クリーンなコクが余韻として残るのです。
エチオピアのイルガチェフは、当店でもお届けするのは、10年ぶりとなります。是非この機会にご賞味ください。
苦味 ★☆☆
酸味 ★★★
コク ★★★
甘味 ★★☆
焙煎 ★★☆
フレーバー:グレープフルーツ、ベリー、カカオ
生産国 | エチオピア |
生産地域 | イルガチェフ |
生産高度 | 2,500m |
精選方法 | ウォッシュド |
品種 | エチオピア原生種 |
ボリビアのコーヒーについて紹介したいと思います。ボリビアは南米大陸に位置し、国土の30%以上をアンデス山脈が占めています。ボリビアの首都である「ラパス」は、標高が3500mもあり世界一高い首都と呼ばれ有名です。
コーヒー生産地として最も有名なブラジルやペルーに隣接していて、コーヒー栽培に適した地形や気候となっています。
ボリビアのコーヒーの歴史についても触れたいと思います。
19世紀のスペイン植民地時代に入植したスペイン人によって始められました。当初は、首都ラパスの近くで始まりましたが、標高が3000m以上の土地が多く、土壌も痩せていたために、コーヒー栽培はうまくいかなったようです。
その後、栽培をする土地の標高を徐々に下げていき、標高1000~2000mの山の斜面などで栽培されるようになると、コーヒー豆の栽培は安定し、生産量は増加していったようです。
ラパス北東にある、アンデス山脈の北東山嶺ユンガス地方のコパカバーナ農園のコーヒー豆は質の良いものとして輸出されています。当店でも以前コパカバーナ農園のコーヒーをご提供したことがあります。
ラパスから北東、アンデス山脈をすこし下がった先のカラナビ地方、その山脈には肥沃な土壌が広がっており、山肌全体を覆うほどの雲霧がもたらす恵みの雨と相まって、多くの生命を育んでいます。
ソル・デラ・マニャーナはスペイン語で朝日を意味する、社会貢献プログラムです。地域の零細農家へ向けて、コーヒー生産のあらゆるプロセス(苗床から始まり、植え付け、収穫、害虫予防、剪定、財務管理など)を7年間かけて指導しています。
コーヒー豆の精製(コーヒーチェリーの果肉から豆に加工するプロセス)において、以前ザンビアのコーヒー記事で紹介したアナエロビック発酵を行っています。
アナエロビック
コーヒーの精製方法には大きく分けてナチュラルとウォッシュドがあり、その中間と言えるパルプドナチュラル(ハニー)が主流となっていましたが、最近、嫌気性発酵(アナエロビックファーメンテーション)という手法が採り入れられ始めました。
コーヒーチェリーを酸素が遮断された密閉容器内で発酵させるというもので、酸素を使わない微生物の働きを利用したものです。
発酵酵母の中には、酸素がないところで活動的になる酵母がいて、発酵すると、通常の発酵時とは違った味わいやフレーバーが生まれます。
酸素を嫌がる酵母を活発にするために、空気を抜いて発酵させるやり方を「嫌気性発酵」、今日のアナエロビックファーメンテーションと言います。コーヒーチェリーをタンクや容器などにつめ、空気を抜き、酸素をなくした状態で発酵させるやり方です。
ワインで取り入れてきた手法で、コーヒーではまだまだ前例が少なく冒険的な取り組みです。
繁華街の雑居ビル2階にその喫茶店はあった。外からは全く目立たない。塗装の禿げた階段を上がると暗い木製の扉が見えた。不安げに扉を開いた途端、サクソフォンの甲高い音が耳に飛び込んできた。小さな店内の端には巨大スピーカーが2台括りつけられていて、Jazzの音が縦横無尽に空間を覆いつくし、内臓に響くかのように迫ってきた。
カウンターと小さなテーブル席が2つ、そこにいる数名の客は皆一人で来ているようだ。誰も一言も発さず、目を閉じてただ駆け巡る音に身を任せている。カウンターの片隅に座ると、向かいに座るママにホットコーヒーを頼んだ。愛想よくはいホットコーヒーですねときびきびと立ち上がった。
ホットコーヒー、お待ちどうさま、厚みのある真っ白なカップに入ったコーヒーが目の前に置かれた。口をつけると、少し酸っぱさがあるが、苦くはないな、と思ったら、舌がじんじんする渋さがきた。これは甘くないコーヒーだな、とひとりごちると、どこからか漂ってきたタバコの煙が鼻を通り過ぎた。そうか、ここは昭和のジャズ喫茶だ。
●
飲んだ瞬間、口回りの酸味に気づきます。苦味はなくまろやかな口当たりです。その後、舌に鉄っぽさが浮き上がってきます。そして、スモーキーな余韻が長く燻らせます。大人のなかなか渋いコーヒーです。
苦味 ★☆☆
酸味 ★★☆
コク ★★☆
甘味 ★☆☆
焙煎 ★★☆
フレーバー:鉄、青草、黒糖
生産国 | ボリビア |
生産地域 | ラパス、カラナビ |
生産高度 | 1,550m |
精選方法 | ウォッシュド アナエロビック発酵 |
品種 | カトゥーラ、カツアイ、ブルボン |
美しい景色を誇るカリブ海の産地、ドミニカ共和国。コロンブスが新世界の発見後、最初の町を建設したイスパニョーラ島。
イスパニョーラ島東部に位置する共和制国家です。小アンティル諸島のドミニカ島にあるドミニカ国と区別するため「共和国」をつけて呼ばれています。
ドミニカでは「野球」が有名です。数多くの野球場があり、プロ野球も6チームあります。
大リーグの有名選手で通算609本塁打のサミー・ソーサは、ドミニカ出身であり英雄です。現在も、大リーガーのおよそ10%がドミニカ出身のようです。
ドミニカでは、ガブリエル・ド・クリューの伝説という、ドミニカのコーヒーの原種であるティピカの苗木がもたらされた物語があります。詳しくは、ドミニカ バラオナAA〜ガブリエルの一滴の水伝説をご覧ください。
EBANO VERDE(エバノ ヴェルデ)は、コンスタンサ地方にある品質にこだわる16の小規模農園によって生産されました。農薬の使用を最小限にし、環境保護と土地の保全を目指した伝統的なシェード栽培を行っています。
シェードツリーによる自然が作り出す日陰がコーヒーツリーを高温と乾燥から防いてくれるのです。また、バナナやイモの木などで構成されるシェードツリーは、多様な生物を育み、森林や土壌の生態系を保全してくれるのです。
エバノヴェルデの出荷プロセスをご紹介します。
①成熟したコーヒーチェリーのみをハンドピック
②エコパルピング~洗浄
(キロ当たり5リットル以下の水量使用)
③天日乾燥3~5日 水分11%
その後3~4週間保管
④パーチメント除去、色選別
⑤ラボでの徹底した品質管理
SCAA規準に基づくカッピング
しっかりと感じる豆の香ばしさ、苦味や酸味はほとんど感じられませんが、
香り高さと、厚みのあるコクが飲みごたえを作ってくれています。
苦味 ★☆☆
酸味 ★☆☆
コク ★★☆
甘味 ★★☆
焙煎 ★★☆
フレーバー:焼き芋、黒糖
生産国 | ドミニカ共和国 |
生産地域 | コンスタンサ |
生産高度 | 1,800〜2,200m |
精選方法 | ウォッシュド |
品種 | カトゥーラ、カツアイ |
ペルー、アマゾナス県のコーヒーです。「Amazonas」と聞いて、まず浮かぶのはアマゾン川ですね。南米にある世界最大・最長の川です。アマゾン川のスペイン語表記は「Rio Amazonas」で、まさにアマゾン川を抱くという場所です。
ペルーにおけるコーヒーの始まりは、1700年代のスペイン植民地時代です。現在においても当時伝来された在来種ティピカが輸出される品種の70%以上となっています。
さらに、ペルーは世界でも有数のオーガニック認証やフェアトレード認証のコーヒー豆の輸出国でもあります。アマゾナス県はペルー北部アンデス山脈中に位置し、ペルーの高品質コーヒーの重要産地となっています。
ペルーのコーヒーの歴史はこちらの記事(ペルー ベラスコ将軍とはじまりのティピカ)をご覧ください。
しっかりと感じる酸味、しかし、その後には舌に刺激が残りません。
酸味と一緒に感じる甘味が果実味を感じさせ、苦味もありません。
ほんのり漂うレモンの香りがさらに夏らしいすっきりさを作り出してくれます。
苦味 ★☆☆
酸味 ★★★
コク ★★☆
甘味 ★★☆
焙煎 ★★☆
フレーバー:レモン、ウッド、青草
生産国 | ペルー |
生産地域 | アマゾナス県 |
生産高度 | 1,500m |
精選方法 | ウォッシュド |
品種 | ティピカ、カティモール、パチェ |
エクアドルのコーヒーについて少し紹介しましょう。「エクアドル」とは実は、スペイン語で「赤道」という意味で、その名の通り赤道直下に位置している国です。アンデス山脈が国土を通り、大部分が山岳地帯に覆われています。赤道の熱帯地域と、アンデス山脈の火山灰土壌がコーヒー生産にとっても非常に適した場所であることがわかります。
エクアドルは、15世紀には、インカ帝国に支配下にあり、1526年スペインのフランシスコ・ピサロの侵攻二よりスペイン植民地となりましたが、1830年に独立しました。エクアドルには、独特の進化をする動植物の宝庫と言われるガラパゴス諸島があります。
エクアドルのコーヒー豆の歴史についてですが、最初にコーヒーの木が持ち込まれたのは19世紀にフランスの探検家がブルボン種を持ち込んだと言われています。火山灰質の土壌、アンデス山脈の高山地帯で寒暖差が大きいなど、コーヒー豆の栽培に適しており、コーヒー豆栽培は産業の中心となりました。
エクアドルは、量産品であるインスタントコーヒー用豆の一大産地でもあり、インスタントコーヒーの原料に使われているロブスタ種の栽培も行っており、その比率はアラビカ種6割に対してロブスタ種が4割となっています。
エクアドルのコーヒー生産地としては、アラビカ種のコーヒー豆を国内で一番多く生産している沿岸部のマナビ地方、生産量は国内の約50%を占めていて、標高200〜700mの低いエリアで大量生産を実現しています。次が、内陸の南部にあるロハ地方で、国内の約20%がここで栽培されています。栽培地の標高は1000m~2000mと栽培には最も適した高さです。そのため品質が高く、ロハ地方のコーヒーはコーヒー品評会にも多く登場しています。
今回のコーヒーは、チトはロハからさらに南へいったエクアドル最南端にあります。標高1500m、良質な土壌と気候に恵まれ、近年は、スペシャリティコーヒーの生産を増やしていくことを目指しています。
先月ご提供したたボリビアコーヒー「ビオ・アラビカ」もアンデス山脈のコーヒーでしたね。
今回のコーヒーの品種はティピカ・メホラードです。ブルボン種と、エチオピア原種を交配したものと判明しており、非常に珍しい
口に含んだ瞬間から柑橘の酸味が強く現れます。しかし、同時に甘味も隠れていて、まろかやさで包まれます。余韻には青みのある渋さが残り、ここは好き嫌いがありそうです。まだ、全体的に、アンバランスさがありつつも、瑞々しさとビビッドな風味は特徴的で面白いです。将来に期待したいポテンシャルを感じます。
苦味 ★★☆
酸味 ★★★
コク ★★☆
甘味 ★★☆
焙煎 ★★☆
フレーバー:レモン、青草、鉄、焼き芋
生産国 | エクアドル |
生産地域 | サモラ・チンチペ県チト地区 |
生産高度 | 1,543m |
精選方法 | ウォッシュド |
収穫時期 | – |
ボリビアのコーヒーについて紹介したいと思います。ボリビアは南米大陸に位置し、国土の30%以上をアンデス山脈が占めています。ボリビアの首都である「ラパス」は、標高が3500mもあり世界一高い首都と呼ばれ有名です。
コーヒー生産地として最も有名なブラジルやペルーに隣接していて、コーヒー栽培に適した地形や気候となっています。
ボリビアのコーヒーの歴史についても触れたいと思います。
19世紀のスペイン植民地時代に入植したスペイン人によって始められました。当初は、首都ラパスの近くで始まりましたが、標高が3000m以上の土地が多く、土壌も痩せていたために、コーヒー栽培はうまくいかなったようです。
その後、栽培をする土地の標高を徐々に下げていき、標高1000~2000mの山の斜面などで栽培されるようになると、コーヒー豆の栽培は安定し、生産量は増加していったようです。
ラパス北東にある、アンデス山脈の北東山嶺ユンガス地方のコパカバーナ農園のコーヒー豆は質の良いものとして輸出されています。当店でも以前コパカバーナ農園のコーヒーをご提供したことがあります。
ラパスから北東、アンデス山脈をすこし下がった先のカラナビ地方、その山脈には肥沃な土壌が広がっており、山肌全体を覆うほどの雲霧がもたらす恵みの雨と相まって、多くの生命を育んでいます。
そんなカラナビ地方でコーヒーを生産するビオ・アラビカ生産者組合は30代の若い生産者たちを主体とした小さな組合です。
農園の標高は1,000~1,750mで、1日の間でも寒暖差が大きく、熱帯雲霧林気候で降水量も多く、コーヒー栽培に適しています。
豊かな自然との共生を目指す循環型農業により赤々と熟したコーヒーチェリーは、急峻な山中で彼らの手で丁寧に手摘みされ、わたしたちの手にやってきます。
赤く熟した実をハンドピックで収穫し、ウォッシュドで精製しています。
甘いベリーが香ります。口当たりとても柔らかい、しかし、一気に広がる豆の香ばしさ、飲んだ後も砕けた豆の風味が漂い続けます。穏やかな酸味は、深いコクとバランスして、心地よいです。深く長いコクが余韻に残ります。
—-風味バランス—-
苦味 ★☆☆
酸味 ★★☆
コク ★★★
甘味 ★★☆
焙煎 ★★☆
フレーバー:ベリー、オレンジ、檜
生産国 | ボリビア多民族国 |
生産地域 | ラパス県カラナビ郡 |
生産高度 | 1,000〜1,750m |
精選方法 | ウォッシュド |
収穫時期 | 5月〜9月 |